ウベピアヤの甘さと、移住計画の解像度

日々移住計画の解像度を深める

ウベピアヤの甘さと、移住計画の解像度

先日、パートナーが住むセブ島を訪れた際、マクタン島のショッピングモールに立ち寄りました。日用品の買い出しが目的でしたが、その一角で「ウベピアヤ」が売られているのを見つけました。 2025-08-22-001.jpg ウベは、日本では大薯(だいじょ)とも呼ばれる紫色の山芋で、フィリピンではスイーツの材料として非常にポピュラーです。かき氷のようなデザート「ハロハロ」の具材としても定番ですね。

パートナーは私がピアヤを好むのを知っているので、時々お土産に買ってきてくれます。プレーンな味は何度も食べたことがありましたが、ウベピアヤは、これが初めてでした。

ピアヤの甘さと、思考の広がり

ウベピアヤには、その名の通り紫色の餡が挟まれていました。温めずにそのまま口に運びましたが、皮のサクサク感と餡の甘みが心地よく広がります。 2025-08-22-002.jpg ただ、正直な感想を言えば、プレーンなピアヤとの明確な味の違いは私には分かりませんでした。ウベ特有の風味があるのかもしれませんが、それ以上に強い甘さが全体を支配しています。もちろん美味しいのですが、私にとっては「どちらも、とても甘い焼き菓子」という認識です。

次の渡航に向けた、現実的な計画

ウベピアヤの甘さを感じながら、次はいつセブに来ようかと思いを巡らせていました。将来的な移住を現実のものとするには、4〜6ヶ月に一度は現地を訪れ、長期滞在に向けた準備を進めるのが合理的です。そうなると、次の渡航は来年の1月あたりが妥当な線でしょう。
そのためには、まず会社との交渉が必要です。幸い、前回海外からリモートワークを行った際は、特に大きなトラブルもなく業務を完遂できました。この「業務に支障がなかった」という事実は、次の交渉における重要な材料になります。おそらく、今回も許可は得られるだろうと見ています。

会社員という立場を維持しながら、場所に縛られない働き方を模索する。これは単に海外で一時的にリモートワークをするという話だけではありません。将来的には、セブへ移住する前に、まず彼女と日本で数年間、共に生活するつもりです。
その期間をどう過ごすかを考えると、働き方についても、今のうちから慎重に検討しておく必要があると感じています。例えば、現在の会社との関係です。会社員という立場を続けるのか、あるいは外部の協力者として契約形態を変えるのか。それぞれの選択肢が、将来の税金や社会保険の扱いにどう影響するのか、といった点です。

これらは自分で安易に判断できる問題ではありません。いずれ専門家にも相談し、客観的な情報に基づいて、自分にとって最適な形を模索していく必要があるでしょう。情報を収集し、整理し、論理的に判断すること。移住という大きな計画を前に進めるには、それしかありません。

二人で暮らすための戦略

移住は、私一人の問題ではありません。最終的には、彼女と共にセブで生活基盤を築くことが目標です。そのためには、私が着々と準備を進めるだけでなく、彼女にも必要な行動をとってもらう必要があります。
感傷的な期待や曖昧な約束ではなく、ビザの申請手続き、住居の確保、現地での資産形成など、クリアすべき課題は具体的です。これらの課題にどういう戦略で臨むのか。そして、私と彼女がそれぞれどの役割を担うのか。そういったことを具体的に決めていく必要があるでしょう。

私は、人間関係における不確実性を可能な限り排除したいと考えています。特に人生を共にするパートナーとは、目標とそこに至るまでの道筋を明確に共有しておきたい。これは私のHSP気質に由来する自己防衛本能なのかもしれませんが、それによって関係性がより強固になるのなら、必要なプロセスだと信じています。

そのための準備として、私自身も具体的な行動を続けています。最近はAIの活用に力を入れており、仕事に使えるスクリプト開発などを試みています。これは業務効率化だけでなく、これからの時代を生き抜くためのスキル獲得にも繋がり、一石二鳥だと感じています。
同様に、情報収集も怠りません。ビザ制度や税制、現地の情勢などを調べる中で、自分がいかに多くの思い込みや知識不足を抱えていたかに気づかされます。情報収集には時間がかかりますが、無知がもたらすリスクを考えれば、これほど確実な投資はありません。

社会との距離と、目指す場所

なぜ、ここまでして海外移住を目指すのか。その根底には、日本社会との間に感じる、埋めがたい距離感があります。
特にインターネットの世界では、他者を「弱者男性」などと安易にラベリングし、ストレスのはけ口として消費する風潮が見られます。私自身がそう見られることへの嫌悪感もさることながら、そのような単純な二元論でしか物事を考えられない社会のあり方そのものに、深い失望感を覚えるのです。

幸い、私は現在リモートワークが中心で、そうした社会のノイズから物理的に距離を置けています。この物理的な距離が、精神的な平穏を保つ上でいかに重要か。HSP気質を持つ人間として、日々痛感しています。
だからこそ、私は彼女と日本で数年過ごした後、海外移住を目指します。それは単なる逃避ではなく、自分たちにとって最適な環境を主体的に選択するための、極めて論理的な帰結です。

ウベピアヤの、飾り気のない強い甘さ。それはそれで悪くありません。しかし私が本当に求めているのは、瞬間的な刺激ではなく、永続的で穏やかな日々です。特別なことは何もいりません。ただ、彼女と二人、何にも追われることなく、穏やかに暮らしたい。私の行動の原動力は、突き詰めればその一点に尽きるのだと思います。

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