OTAP(オタップ)を食べながら振り返る国際恋愛のこと

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OTAP(オタップ)を食べながら振り返る国際恋愛のこと

小腹が空いたので、先日セブから持ち帰った「OTAP(オタップ)」(1 Tub, Classic, Laura's Biscuits-Otap Classic in Tubs')という菓子をつまみました。 2025-08-01-001.jpg パートナーが「美味しいから」と勧めてくれたもので、普段ほとんど菓子類を買わない私にとっては、実に珍しい光景です。

パイ生地を何層にも重ねて焼き上げたような、楕円形のシンプルな焼き菓子。口に運ぶと、サクサク、パリパリとした軽快な食感が小気味良く感じられます。味は黒糖がベースなのでしょうか、 2025-08-01-002.jpg 見た目もどこか日本の源氏パイ(三立製菓 お徳用源氏パイ 24枚入×3)やホームパイ(不二家 ホームパイ 38枚)を彷彿とさせますが、甘さはより控えめで、素朴な風味が広がります。緑茶やコーヒーと共に、少しずつ齧るのにちょうどいいようです。
このOTAPの他にも、ピアヤ、ウーベピアヤといった菓子がまだ手元にあり、しばらくはおやつの時間に困ることはなさそうです。

この穏やかな時間が、かの地での喧騒や、自身の内面の葛藤と対極にあるように感じられます。この異国の菓子をきっかけに、思考は自然と、彼女とのこと、国際恋愛という現実へと及んでいきます。

距離と時差を超えて繋がる日常

パートナーとは、毎日メッセンジャーアプリで連絡を取り合っています。その日にあった出来事の報告から、彼女が抱える仕事や家族の悩みまで、話題は多岐にわたります。
もちろん、私たちの間には言語の壁が存在します。ビデオ通話では、彼女の早口や英語独特のリンキングも相まって、どうしても聞き取れないことが少なくありません。そういう時は、彼女が気を利かせてテキストメッセージを送ってくれます。文章であれば、時間をかけて向き合えますし、意味の取り違えも防げるからです。解釈を違えたくない重要な話では翻訳ツールも使いますが、その頻度は以前に比べて少しずつ減ってきているように感じます。それは、ささやかながらも確かな進歩なのでしょう。

しかし、物理的な距離はいかんともしがたいものです。成田からセブまで、飛行機でおよそ5時間。頻繁に会える距離ではありません。フィリピンから日本へ来るにはビザの取得という高いハードルがありますが、日本からフィリ-ピンへ行くのは比較的容易なため、必然的に私がセブへ飛ぶことになります。
海外航空券 の安い時期を狙い、現地のコンドミニアムを比較的安価に手配する術も身につけましたが、それでも渡航費や滞在費、空港までの交通費などを合算すれば、一度の訪問で10万円程度の出費は覚悟しなければなりません。初めて訪れた際は、勝手がわからず16万円ほどかかったことを思えば、それなりに圧縮できているのですが、決して軽い負担ではないのが現実です。

HSP気質と国際恋愛の葛藤

今年の5月と7月、それぞれ1週間ほどセブに滞在し、コンドミニアムを借りて彼女と共に過ごしました。それは穏やかで満たされた時間であったと同時に、私の気質がもたらす困難を改めて突きつけられる期間でもありました。

HSPを自認する私は、他者の感情の機微に過敏に反応してしまいます。特に、相手の不機嫌や怒りの感情には滅法弱く、それを向けられていると感じるだけで思考が停止し、ひどく消耗するのです。
生活を共にすれば、当然、意思の疎通がうまくいかない場面も出てきます。言語の違い、文化的な背景の違い。彼女にとっては些細なことでも、私には意図が読み取れず、どう反応すべきか分からなくなる。あるいは、良かれと思って取った行動が、彼女の常識では非常識と映り、怒らせてしまうこともありました。

その度に、私の脳は「自分が彼女を深く傷つけてしまった」という思考に囚われます。彼女の表情や声色のわずかな変化をネガティブに増幅して受け取り、勝手に落ち込み、自己嫌悪の渦に沈んでいくのです。
「やはり、自分は誰かと一緒にいるべき人間ではないのではないか」 「このまま一人で人生を終えることを前提に、生活を設計し直すべきではないか」
そんな考えが、何度も頭をよぎりました。一人の時間が必要不可欠な人間が、他人と、それも文化の違う外国人と暮らすことなど、そもそも無謀だったのではないか、と。

空港で受け取った、一通のメッセージ

7月の滞在を終え、帰国の途につく日。マクタン・セブ国際空港の搭乗ゲートでフライトを待つ間、数日間の出来事が頭の中を駆け巡り、自責の念が払拭できない私は彼女に謝罪のメッセージを送りました。うまくコミュニケーションが取れず、何度も不快な思いをさせてしまったことを、ただただ詫びる内容です。

すぐに、彼女から返信がありました。その内容は、私の予想とはまったく違うものでした。
「あなたが気にしている私の態度は、フィリピン人女性によくあることだから、深く考える必要はない」 「それよりも、あなたが積極的に英語で話そうと努力してくれたこと、家事を手伝ってくれたことに、心から感謝している」
このメッセージを読んだ時、張り詰めていた何かが、ふっと緩むのを感じました。救われた、と思ったのと同時に、こうも思いました。「だとしても、あまり感情を態度で露骨に出さないでほしい」と。もちろん、そんなことは言えません。それは文化の違いであり、彼女の個性でもあるからです。
いつか、もっと私たちのコミュニケーションが円滑になった時、私のこの厄介な気質について、きちんと話をしようと心に決めました。

レッテルを剥がし、本質で向き合うこと

実のところ、私は彼女の存在を公にしていません(ごく親しい友人には話していますが)。理由はいくつかありますが、一つは年齢差です。この国では、特に私のような世代の男性が、年下の外国人女性と交際していると知れると、途端に不名誉なレッテルを貼られます。他者の人生を単純な記号に置き換え、貶めることでしか自尊心を保てない人間が、この国にはあまりにも多いように思います。年々その傾向は強まっているように感じますし、それこそが私が日本からの脱出を目指す、要因の一つでもあります。

私たちは交際を始める直前に、多くのことを、それも極めて現実的な話をしました。詳細は省きますが、例えば「フィリピン人との交際でよく聞かれる金銭的な問題」については、誤解を避けるため、私は自分の経済状況を正直に話し、「あなたの家族の面倒を見ることはできない」と明確に伝えました。また、私自身の健康上の問題についても、包み隠さず話しました。

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非常に突っ込んだ内容だったため、翻訳にはAIを駆使しましたが、その正直な対話があったからこそ、私たちは信頼関係を築くことができたのだと信じています。彼女もまた、自身の状況を正直に話してくれました。そうして私たちは、互いの言葉と状況を受け入れたのです。

世間では、特定の国籍の相手との恋愛を、色眼鏡で見る風潮があります。しかし、落ち目にある日本という国に住む私たちが、他者をどうこう言える立場ではないでしょう。重要なのは国籍ではなく、個人としてどう向き合うかです。騙されないために必要なのは、やみくもに疑うことではなく、まずはこちらが腹を割り、正直に話すこと。そして相手にもそれを求めること。それでダメなら、縁がなかった、ただそれだけのことです。
もし後から、彼女が私を騙していたと知れば、その時に関係は終わります。そして私が再び女性に心を開くことは生涯ないでしょう。私はそれくらいにはドライです。なぜなら元より一人が苦ではないのですから。

このOTAPの素朴な甘さは、セブでの彼女との時間を思い出させます。甘い時間も、そしてHSP気質ゆえの苦い葛藤も。そのすべてを内包した上で、私たちの関係は成り立っているのです。

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