詰め込みすぎた日々と、ふと訪れた平日休み
ここ最近、休日らしい休日を過ごせていなかったように思います。やらなければならないこと、というよりは「やっておきたいこと」が常に頭の中にリストアップされていて、それを一つずつ消化することに時間を使っていました。
直近では、Windows 10のサポート終了に対応するために更新作業を行いました。パーツ交換からWindows11のインストール、データの移行まで、思いのほか時間がかかり、1日が丸ごと潰れてしまいました。それが終われば、今度は自身のスキルを証明するためのポートフォリオサイトの作成です。新しい技術を取り入れながらサンプルサイトを構築していく作業は、それ自体は楽しいのですが、やはり仕事の延長線上にある行為です。
こんな感じで、休日は休んだという感覚はなく、ここ最近、常に倦怠感を感じる日々が続いています。
そんな中、珍しく平日に休みが取れたので、たまにはランチを食べに行こうと、友人におすすめの店を教えてほしいと尋ねたところ、一緒に行くことになりました。
バランスの取れた昼食がもたらす、束の間の安らぎ
その日のランチメニューは、キーマカレー、酢豚、さんまの塩焼きの三択。私は迷わず「酢豚」の定食を注文しました。
運ばれてきたお盆の上には、つやつやと餡が絡んだ酢豚をメインに、ほかほかの白米、そして具沢山の味噌汁が湯気を立てています。小鉢も三つ付いていて、いかにも身体に良さそうなラインナップです。
普段の自炊といえば、パスタを茹でるか、焼きそばやパンケーキを焼くか、買ってきた惣菜を温める程度。栄養バランスなど考えて食事をしているわけではありません(それでも以前よりは多少ましになりましたが)。それだけに、こうして人の手で作られた、温かくバランスの取れた食事を摂るという行為が、ひどく贅沢なものに感じられました。
友人のもてなしと、昼下がりのクラフトビール
昼食を終えた後、特に予定も決めていなかったので、友人の自宅へお邪魔することになりました。
友人は海外の珍しいお菓子と、抹茶をふるまってくれました。
久しぶりに味わう新茶の葉で淹れた抹茶は、苦みがまったくなく、すっと入ってきました。
しばらく談笑した後、クラフトビールを飲みに行こうという話になり、帰宅ついでにクラフトビール店へ行くことにしました。
移転前の店舗には何度か行ったことがありましたが、移転後に訪れるのはこれが初めてでした。実は先ほどの食堂のすぐ近くだったりします。
メニューの中から選んだのは、「ミントサワー」という少し変わった名前のビールでした。
グラスに注がれたそれは、普通のビールよりもほのかに緑がかっていました。一口飲むと、ミントの爽やかな清涼感が鼻を抜けていきます。暑い日にぴったりの、すっきりとした味わいです。アルコール度数も4.5%と、私にはちょうど良い塩梅でした。ゆっくりとグラスを傾ける時間は、確かに「休日」と呼ぶにふさわしいものでした。
消えない焦燥感と、「休むのが下手」という自己分析
友人と会い、美味しいものを食べ、昼間から少しだけお酒も飲む。客観的に見れば、十分に満たされた「のんびりした休日」だったはずです。しかし、自宅の最寄り駅に着く頃には、私の心には別の感情が湧き上がっていました。
「今日はもう、これ以上何もしなくていいのだろうか」
そう思う自分と、同時に「いや、まだ夜まで時間がある。少しでも作業を進めるべきだ」と囁く自分がいるのです。結局、その日の夜も私はPCの前に座り、作りかけのポートフォリオサイトのコードを打ち込んでいました。そして、いつものように倦怠感を抱えたまま、ただ疲れて眠りにつく。何も変わりません。
なぜ、私は心から休むことができないのか。おそらく、その根源には「焦り」があるのだと思います。
一日でも早く、組織や場所に依存しない働き方を確立したい。パートナーと共に、何にも追われることのない穏やかな日々を実現したい。その目標があるからこそ、今この瞬間も無駄にしたくないという思いが、常に私を駆り立てます。
休息は必要だと頭では理解しています。今日のような一日が、長期的に見れば必要なガス抜きになることも分かっています。それでも、休んでいる間に誰かはスキルを磨き、資産を形成し、着実に前に進んでいるのではないか。就職氷河期世代として染みついた、このままでは衰退する日本と心中することになるという危機感が、私から安らぎを奪っていくのかもしれません。
そう考えると、今の私にとって、この焦燥感から解放されるための唯一の方法は、目標を達成すること以外にないのかもしれません。だとしたら、今は無理に休もうとするのではなく、むしろこの焦りを原動力にして、ひたすら手を動かし続けるしかありません。
また、以前より出歩くことがなくなったとはいえ、興味があることがあれば出かけてしまいます。世捨て人になったわけではないので、参加したいと思うイベントや訪れたい場所には出かけます。
結局のところ、私は「休むのが下手」なのでしょう。しかし、それは決して悲観すべきことではなく、前に進もうとしている証なのかもしれません。今日の出来事は、そんな自己分析をするための、良いきっかけになった一日だったように思います。