年末年始のセールを待つべきか否か。数日悩みましたが、市場に流れる「ある噂」と、主要な通販サイトの在庫状況を見て、即座に動くことに決めました。
AI需要の急増に伴い、一般消費者向けのグラフィックボード供給が絞られるという話です。AmazonやPCパーツショップのサイトを一通り巡回してみると、あからさまな価格上昇や「取り寄せ」「完売」表記が目立ち始めていました。
この状況下では、セール対象になるどころか、在庫自体が枯渇する可能性が高い。そう判断し、確保に動きました。
選定基準は「VRAM 16GB」の一点のみ
購入したのは、MSI製の「GeForce RTX 5060 Ti 16G GAMING OC」です。
実は、この段階に至るまで具体的なモデル名は決めていませんでした。確たる条件はただ一つ、「VRAM 16GB」であること。
8GBのメモリでは、ローカルでLLM(大規模言語モデル)を試すことすらままなりません。私はPCでゲームを一切プレイしないため、いわゆるゲーム性能やフレームレートは完全に無視できます。重要なのはPhotoshop等の制作ツール、そして何よりもローカルLLMが実用レベルで動作するかどうかです。
予算が潤沢にあるわけではない私にとって、8万数千円という価格帯で入手可能なこのモデルが、唯一の落とし所でした。
開封と設置、その物理的な威圧感
フルタワー用のケースなので物理的には収まりますが、交換のために取り外したGTX 1660(VRAM 6GB)と並べると、一回りは大きくなっています。
もちほわと比べても、その威圧感は圧倒的です。
冷却性能に優れるモデルを選んだのは、生成AI特有の長時間高負荷運転を想定してのことですが、最新ゲームや生成AI動かすのにこれだけの質量が必要になる現実にただただ驚くばかりです。
ローカルLLMの動作確認と今後の展望
換装作業を終え、VRAMは一気に10GB増量されました。
早速、Ollamaをインストールし、Gemma 3 (12b) モデルをロードしてみました。以前の環境では門前払いだった規模のモデルが、ローカル環境でスムーズに回答を生成してくれます。まだ動作確認程度ですが、ようやくAIを「使う側」として手元でいじり倒す下準備が整いました。
昼過ぎ、購入したショップのページを再確認したところ、既に「完売いたしました」の文字が表示されていました。
8万円超は決して安くない出費ですが、判断は正しかったようです。あの時迷って買い逃していたら、金銭以上の機会損失を被っていたでしょう。
この投資は、単なるパーツの購入ではありません。近い将来、組織に依存せず生き残るためのスキルセットを獲得するための、必要なコストなのです。
