先日アフリターダを作った際、ウェブサイトのおすすめに出てきた「ソパス」という料理が気になっていました。アフリターダが思いのほか自分の口に合ったこともあり、フィリピン料理への興味が静かに深まっています。ソパスとは、現地では朝食や軽食として親しまれている、マカロニ入りのクリーミーなスープのようです。
もちろん、私は本場のソパスを食べたことがありません。比較対象となる「正解の味」を知らないまま、料理に挑むことになります。しかし、それはそれで構わないでしょう。重要なのは、興味を抱き、実際に作ってみるという行動そのものだからです。
移住への道筋としての自炊
最近、自炊を心がけるようになりました。以前は食に無頓着で、スーパーの惣菜などで済ませることが多かったのですが、フィリピン・セブへの移住を具体的に考え始めてから、意識が変わりつつあります。
なぜ、食べたこともないフィリピン料理をわざわざ作ろうとするのか。自問すれば、それは自分の中でフィリピンという国、セブという土地が、それだけ身近な存在になっている証拠なのでしょう。遠い異国の話ではなく、いずれ自分が生活するかもしれない場所。そう思うと、その土地の日常や文化に触れたくなるのは、ごく自然なことです。
そこでの生活は、もはや私の中では単なる憧れではなく、現実的な目標として輪郭を帯びてきています。今の日々の行動は、すべてその未来からの逆算なのかもしれません。漠然と「海外で暮らしたい」と夢想する段階はとうに過ぎました。今は、その実現のために何をすべきか、具体的な行動を一つずつ積み重ねるフェーズにあります。
ソパスの調理記録
あくまで自分のための備忘録として、今回の調理手順を書き残しておきます。
材料
- 鶏胸肉
- 玉ねぎ
- にんじん
- キャベツ
- ニンニク
- マカロニ
- 牛乳
- コンソメ
- 塩、胡椒
- サラダ油
手順
- 下ごしらえ: 野菜はすべて1.5cm角程度に切りそろえます。ニンニクはみじん切りに。
鶏胸肉も同様のサイズにカットし、軽く塩胡椒を振っておきます。
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炒める: 鍋に油をひき、ニンニクを弱火で炒めて香りを立たせます。香りが出てきたら玉ねぎ、にんじん、キャベツを加えて炒め、玉ねぎがしんなりしたら鶏胸肉を投入。肉の表面の色が変わるまで炒めます。
- 煮込む: 規定量の水で溶いたコンソメスープを鍋に注ぎ、煮立たせます。
- マカロニ投入: 煮立ったらマカロニを加え、弱火にしてから蓋をします。マカロニの袋に表示された茹で時間(今回は4〜5分)を目安に放置します。
- 仕上げ: マカロニが柔らかくなったら牛乳を加え、弱火のまま、沸騰させないよう注意深く温めます。最後に塩胡椒で味を整えます。
ここで少し味見をしてみましたが、どうも旨味が足りない気がしました。本場の味は知りませんが、自分の好みとは少し違うようです。そこで、コンソメの素を少量追加してみると、結果的にこれが正解だったようです。ぐっと味が引き締まり、自分好みのクリーミーで優しい味に仕上がりました。
行動することの価値
完成したソパスは、野菜と鶏肉の旨味が溶け込んだ、滋味深いスープでした。
初めて作った料理が自分の口に合うというのは、素直に嬉しいものです。
海外移住に漠然とした憧れを抱きながら、何から手をつければいいか分からず、足踏みしている人がいるかもしれません。その姿に、かつての自分を重ねてしまいます。そういう時、まず興味のある国の料理を作ってみる、というのも一つの手ではないでしょうか。レシピはインターネットを検索すれば、いくらでも見つかります。
それは、移住という目標から見れば、ほんの些細な一歩に過ぎないかもしれません。しかし、計画を練るばかりで何一つ実行しなければ、現状は何も変わらないのです。なりたい自分を想像するだけでは不十分だ、と私は思います。想像した未来に近づくためには、具体的な行動が必要不可欠です。「引き寄せの法則」に私が懐疑的なのは、この点にあります。行動なき祈りに、意味などありません。
料理を作る。現地の言葉を一つ覚える。その国のニュースを読む。どんなに小さなことでも、行動は行動です。その積み重ねが、いずれ自分を目標の場所へと運んでくれます。今回のソパス作りも、セブでの生活につながる、間違いなく価値ある一歩だったと、今は確信しています。
冷凍庫にはまだ鶏胸肉が残っていますし、焼きそばの麺も買ってあります。次は、この余った野菜で焼きそばでも作りましょうか。何を作るにせよ、こうして自炊の機会を増やしていくこと自体が、今の私にとっては重要なのです。