巾着田の曼珠沙華 2025

ちょうど見ごろだった。

巾着田の曼珠沙華 2025のサムネイル画像

今年もまた、あの赤い絨毯を撮る季節がやってきました。 巾着田の曼珠沙華(彼岸花)の撮影です。私の自宅からは決して近い場所ではありません。それでも足を運ぶのは、あの真っ赤に咲く曼珠沙華を撮りに行きたいというのもあります。

有名な観光地には、どうしても「人」が付きまといます。特に私のようなHSP気質を持つ人間にとって、人混みはそれだけでエネルギーを大きく消耗させる要因です。ざわめき、予期せぬ他者との接触、自分のペースを乱される感覚。それらを想像するだけで、どれほど被写体が魅力的であっても、行くことを躊躇する感情が湧き出てきます。ですから、私にとって巾着田での撮影は「いかにして人混みという最大のストレス要因を回避し、心穏やかに目的を達成するか」という裏ミッションが存在するのです。

当初は土曜日に行こうかと考えていました。しかし、公式サイトのFacebook投稿で開花状況を確認すると、どうやら日曜日が満開の見頃になりそうで、天気も問題なさそうだったので、予定を一日ずらして日曜日に行くことにしたのです。

巾着田へは早起きして電車を乗り継いで行きました。現地に9時に着くためにはそれなりの時間に出発する必要があります。 2025-09-28-001.jpg 最寄り駅である高麗駅から巾着田までは、徒歩で15分ほど。ゲートで入場料の500円を支払い、中に入ると、見事な光景が広がっており、満開といっていい状況でした。日曜日に変更して正解でした。

園内には、私と同じように一眼レフカメラやミラーレスカメラを構えた人が多く見受けられ、思い思いのスタイルで撮影に集中していました。 2025-09-28-006.jpg 私もまた、黙々と撮影に没頭しました。どこを切り取っても絵になる風景ですが、人がいない瞬間を狙うには、やはり早朝の時間帯が最適です。 2025-09-28-002.jpg 9時台であれば、まだ自分のペースで歩き、立ち止まり、構図を考える余裕があります。

毎年何組か見かけるコスプレイヤーですが、今年も数組見かけました。赤い花の絨毯は、確かに特定のキャラクターの世界観と非常にマッチするのでしょう。これもまた、巾着田ならではの光景の一つです。

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一通り撮影を終え、奥にある出店エリアへ向かいました。そこで「クロッフル」というデザートが売られていたので、マロン味を一つ頼んでみました。 2025-09-28-007.jpg クロワッサンをワッフルメーカーで焼いたもので、韓国で流行っているスイーツらしいです。よくは知りませんが看板にそう書いてあったのでそうなのでしょう。ちょっと歩き疲れていたこともあり甘いものが疲れた体に染み渡りました。

一通り撮影し、そろそろ撤退しようかと時計を見ると、11時過ぎでした。滞在時間は2時間強。園内には明らかに人が増え始め、歩きにくさを感じ始めました。 2025-09-28-005.jpg 私にとっては、これが撤退の合図です。これ以上ここにいても、人混みによる疲労とストレスが増えるだけなので潔く撤退です。 2025-09-28-008.jpg 早々に機材をリュックに収納し、巾着田を後にしました。

帰りの電車では、朝早かったこともあり、うとうとしていました。行きの移動中は本を読んでいましたが、帰りはその気力もありません。 冷静に計算してみると、滞在時間2時間に対し、往復の移動時間はその倍以上。コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスといった観点で見れば、決して効率的とは言えないでしょう。

しかし、満開の曼珠沙華を、まだ人が比較的少ない時間帯にストレスなく、自分の撮りたいように撮ることができたことを考えると、長い移動時間というコストを補って余りある価値をもたらしてくれたと思っています。 来年もまた、同じように開花状況を調べ、早朝に家を出て、混み始める前に撤退する、というスタイルでここを訪れることになると思います。それが、私なりの巾着田の楽しみ方であり、自分自身との向き合い方なのですから。

撮影した曼珠沙華はこちら

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