誰にも会わない

地元に知り合いはもういない。

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しばらく実家に身を寄せていました。
特別な理由があったわけではありません。フルリモートの仕事をしているので、場所を変えても業務に支障はない。それだけのことです。2週間ほど滞在して、先日戻ってきました。

行きは新幹線と特急を乗り継ぎ、そこからフェリーに乗りました。帰りは飛行機です。タイムセールで押さえておいたチケットだったので、費用はかなり抑えられました。 飛行機はやはり速い。長い船旅を知っている身からすると、あっという間でした。

実家にいる間、外出はほとんどしませんでした。周囲に何もないというのが大きいです。車がなければどこにも行けない。それくらいの場所です。地元の学校も統合が進んでいるという話を聞きました。少子化、という言葉が数字ではなく風景として見えてきます。まぁ、私にとってはそれだけの話です。お国のために子どもを作ろうという発想は、私にはありません。そういう目的で人を増やすという考え方そのものが、どこかずれているように感じます。

もう完全に、地元との縁は切れています。実家に帰っても連絡を取る相手はいないし、誰かに会うということもない。同級生の顔も名前も、もう思い出せません。 ただ、普段通りに仕事をしながら家族と過ごす2週間でした。あと何年一緒にいられるのか、わかりません。今後は帰省の回数を増やすだろうと思っています。地元の人間関係が完全になくなったことで----前々からそうだったのですが、改めて確認できたことで----ある意味、気楽に訪れることができるようになりました。知り合いに会うかもしれない、という余計な心配がない。それだけで、帰省の心理的な負荷がずいぶん違います。

行きに使った船旅がよかったので、次回も船を選ぶかもしれません。まっすぐ帰るのではなく、あえて寄り道をしながら移動する。帰省を小さな一人旅にしてしまう、という考え方です。船内では周囲の声が気になる場面もありましたが、対処できる範囲でした。そこまでのストレスにはならなかったので、今後も船移動は選択肢に入ると思います。

しばらく遠出の予定はありません。実家で過ごしている間に温めていたことを、ひとつずつ進めるだけです。
帰省のたびに思うのですが、「地元に帰る」という行為が、かつての人間関係に帰るという意味を失ってからのほうが、私には合っているのかもしれません。

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