他者に依存しないための空白の補完

画像生成AIを導入した理由

他者に依存しないための空白の補完のサムネイル画像

実は、つい最近まで画像生成AIにはあまり関心がありませんでした。 昨年末にローカルで生成可能なGPUを購入し、LLM(大規模言語モデル)の挙動を検証してはいましたが、画像を生成するという発想には至らなかったのです。クラウドAIを用いたシステム開発や小規模アプリの試作、あるいはローカル環境でどのモデルの推論精度が高いかを探る作業に注力していたのが正直なところです。

認識が変わったのは、知人らと食事をした時でした。 クリエイティブな話題----いわゆる同人界隈の話ですが----で盛り上がる中で、ふと気づいたのです。自身が持ち合わせていない能力を補うために、AIを利用するのは合理的な選択ではないかと。

例えば、読み物を書く際に挿絵が必要になることがあります。旅行記にしても、テキストと写真だけでは間延びします。しかし、私にはイラストを描くスキルはありません。かといって、その都度他者に発注するのはコスト以前に、コミュニケーションの労力が割に合いません。 その点、AIであれば人間特有の「ノイズ」を介在させずに、必要な素材を調達できます。帰宅後、その日の会話をメモに残しました。単なる思いつきではなく、具体的なアイデアとして活用できると判断したからです。

翌日、早速ローカル環境に画像生成の仕組みを構築しました。 世間的には既にレッドオーシャン化しているようですが、市場で競争するつもりはないので関係ありません。あくまで、自分用のツールとしての導入です。

画像生成の仕組みもそうですが、モデルやLoRAといった概念の理解には時間を要しました。闇雲にモデルを導入し、検索したプロンプトを打ち込む作業は、効率的とは言えませんでしたが、何ができるのかを知るためには必要なプロセスだったと思います。

数週間を経て「自分好みのキャラクター」を固定して出力できるようにはなりました。 まだポージングは運任せの部分があり、プロンプトの制御も完全ではありません。このあたりは次に取り組むべき課題です。

それでも、独自のキャラクターを生成できるようになった事実は大きいと感じています。 この生成物を使い、創作の幅を広げることができるようになりました。それは、他者の手を借りずに完結できる領域が増えたことを意味します。後発であることは問題ではありません。今からでも取り組む価値は、この「自己完結性」にこそあります。

唯一の懸念は、やるべきことが増えすぎて時間が不足していることくらいでしょうか。
AIは文句も言わず、賃上げも要求しません。縮小していく経済圏において、不確定要素の多い人間に頼るリスクを減らせるのなら、それに越したことはないと思っています。沈みゆく国で生き残るには、他人をあてにするよりも、自分ひとりで完結できる要塞を築く方が確実なのかもしれません。

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