車窓から見ていた「古民家」へ。ライブ前の静寂。

静謐の寄り道

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車窓から目にするたびに気になっていた、その古民家。ライブ会場へ向かう前のわずかな余白を使い、ようやくその門を叩くことができました。聖蹟桜ヶ丘へ立ち寄る予定はありましたが、それでも時間が余ってしまうのは目に見えていましたから、これは良い機会だと思い、足を運んでみることにしたのです。

訪れたのは「金沢八景権現山公園」。かつては円通寺という寺院があった場所だそうですが、寺院の断片を感じることはできませんでした。 寺院の跡には立派な古民家が佇んでおり、その立派な主家は、「旧木村家住宅主家」と呼ばれています。幸運にも屋内には他に見学者の姿はなく、静寂の中に身を置くことができました。こうした、誰にも邪魔されない「独り占めの時間」は、私にとって何よりの贅沢です。

雛祭りが近いこともあり、屋内には柔らかな空気を纏った雛人形や吊るし飾りが並んでいました。 ふと目に留まったのは、建物の意匠に刻まれた「葵の御紋」。 単なる装飾なのか、あるいは何か深い縁があるのか......そんな問いを投げかけたくなる佇まいです。 昔ながらの茅葺屋根を見上げれば、かつて囲炉裏の煙で内側から燻されていたであろう風情が漂い、積み重ねられた月日の重みを感じさせます。

誰もいない空間をゆっくりと歩き、木材の温もりと静謐を十分に吸い込ませてもらいました。 一通りの見学を終え、公園内を軽く散策。そうして私は、次の目的地である聖蹟桜ヶ丘へと、再び歩を進めたのでした。

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