出発まで少し時間があったので、歩いて西本願寺へ向かいました。
「少し時間がある」というだけで「余裕がある」わけではなかったので、お参りだけ済ませてすぐに京都駅へ戻りました。飲食店はどこも混んでいて、座って食事をする余裕はなさそうだったので、弁当を買って車内で食べることにしました。
京都からさらに西へ向かうなら、普通は新幹線を選ぶのだと思います。今回はそうはせず、特急はるかで天王寺へ向かうことにしました。
特急を選んだのは、隣り合って座る可能性を減らしたかったからです。特急券はあらかじめネットでチケットレス予約をしたので、通常よりも安く抑えられました。贅沢がしたいわけでも、貧乏旅行がしたいわけでもありません。ただ静かに移動したいだけです。
トイレに行っている間に、特急はるかはすでに入線していました。折り返し運転なのか清掃が入っていたので、乗車可能になるまでしばらく待ちました。
特急はるかに乗るのは初めてでした。関西空港へ向かう特急ですから、成田エクスプレスのようなものなのでしょう。
指定席に座って、困りました。この車両には新幹線にあるような背面テーブルがなく、肘掛けから引き出す小さなテーブルしかありません。購入した弁当に対して圧倒的に小さい。車内で食べる前提で弁当を買ったのに、テーブルに載らないとは思いませんでした。
結局、膝の上に置いて食べました。やわらかロースと名乗るだけあって、柔らかくて美味しかったです。
天王寺で乗り換え、30分弱揺られて和泉府中に到着しました。ここに来た目的は、阪九フェリーのフェリー乗り場へ向かうシャトルバスに乗るためです。早く着いてしまったので、駅近くのイオンで時間を潰し、出発の15分前にバス停へ戻りました。
途中の停留所で多くの人が乗ってきました。
阪九フェリー「ひびき」
今回乗るのは阪九フェリー「ひびき」。泉大津港から新門司港まで、およそ12時間の航路です。
新幹線を使えば数時間で着きますが、あえてこちらを選びました。以前、東京九州フェリーで新門司から横須賀まで乗ったことがあるので、宿泊を伴う船旅はこれが2度目になります。
部屋はデラックス・シングル。インターネット予約割引で少し安くなりました。静かに過ごすことが目的だったので、雑魚寝の大部屋や二段ベッドの共用スペースを予約するという選択肢は最初からありませんでした。
ベッドは200×80cmのシングルサイズ。机の上に浴衣、スリッパ、歯ブラシ、ふねこのタオルが置いてあり、洗面台もありました。歯磨きや洗顔を部屋でできるのはありがたいです。
個室内は圏外でしたが、瀬戸内海を航行しているためか、陸地の電波をかろうじて拾えるようで、パブリックスペースではちょっとしたネットブラウジングやメッセージの送信くらいはできました。
出航前にデッキに出て、出航の瞬間を動画で撮りました。 汗をかいたので、早々に風呂へ向かいました。早い時間帯だったおかげで人も少なく、露天風呂を含めてゆっくり浸かることができました。露天風呂では湯に浸かりながら対岸の街並みをぼんやり眺めていました。
夕食と瀬戸大橋
レストランの営業は20時までだったので、19時ごろに向かいました。
あらかじめ並んでいる料理から好きなものを取る方式で、チキン南蛮とポテトサラダを選び、レジで普通盛りのご飯と中ジョッキの生ビールを注文しました。
外が見える席が空いていたので、夕暮れを眺めながら食事をしていたのですが、昼間のとんかつ弁当が残っていたのか、ビールのせいなのか、すぐに腹が満たされてしまいました。
隣の席の会話が耳に入ってきたので、イヤホンで音楽を聴きながら自分のペースで食事を続けました。
他人がどう思おうと構いません。私は音楽を聴くことで食事を楽しめるし、周囲の人たちも会話を楽しめる。お互いに干渉しなければそれでいい。行儀がどうこうと言われたら、そのときはさらに距離を置くだけです。幸い、そういった面倒な人はいませんでした。
食後、しばらくパブリックスペースで過ごしてから部屋に戻りました。
普段テレビを見ることがないので、たまにはと思ってつけてみたものの、特に見たいものはなく、航路情報を映したまま、うたた寝をしていました。
館内放送で目が覚めました。瀬戸大橋の付近を航行中で、まもなく橋の下を通過するとのこと。すぐにデッキへ向かいました。すでに何人かいましたが、混んでいるというほどではありません。
橋の下を通過する動画を撮り終えて満足し、部屋に戻って浴衣に着替え、照明を落として眠りました。船は揺れることもなく、振動も気になりませんでした。
朝は5時台の館内放送で目が覚めました。着替えてレストランへ向かいましたが、館内で焼いたというパンが気になり、レストランでの食事はやめてパンと飲み物を購入し、パブリックスペースで朝食にしました。
食後すぐに部屋へ戻り、下船に向けて荷物を整理しながら、接岸の様子を写真と動画に収めました。フェリーは定刻通り新門司港に到着しました。
12時間の船旅は快適でした。気分次第で外に出たり部屋に引き篭もったりもできたし、特に混んでいるということもなく、自分のペースで過ごすことができました。時間に余裕を持たせて船で移動するのは、私には合っていると思います。
今後、旅をする際には航路を選択肢に入れることになりそうです。航路や季節、天候にもよるのでしょうけれど、今回は間違いなく快適な旅でした。