左側は「化学防護衣」ゴム製で一番防いでくれますが、ゴム製のためすぐに蒸れてしまい、夏だと30分、冬でも1時間も持たないそうです。この防護服は地下鉄サリン事件の時に陸上自衛隊の隊員が装備したものと同型だそうです。
右側は「個人用防護衣」防護レベルは個人用防護衣より劣るものの、蒸れないため化学防護衣と比べ作業性はよいとのこと。
「簡易防護服」防護レベルは最も低いものの作業性に優れるとのこと。
その場に応じて、これら3種類の防護服を使い分けて作業に当たるそうです。
部屋の後ろに木材で組まれたものがあったのですが、これはダメージコントロール時にこのように木材で船体をふさぎ海水の侵入を防ぐそうで、護衛艦にはそれなりの木材が積まれているようです。
そうこうしているうちに講義が始まりました。まずは化学器材についての説明から、化学器材とは放射性物質・有毒化学剤・細菌・ウィルスなどから隊員の身を保護したり測定するものをさします。
防護マスクはマスクと吸収缶とに分かれていて、吸収缶は防水栓で閉じられています。吸収缶は有害物質が吸着すると重くなるので、基準値を超えたら交換し、1年に1度重さをはかりチェックするそうです。
覆面に吸収缶を装着しかぶります。自衛官の方がお酢の入ったペットボトルを吸収缶にかざしましたが全くにおいがしなかったので、ちゃんと防護マスクとして機能してくれたようです。
護衛艦に積んである放射線測定器。3つ積んであり、それぞれ艦の前部・中部・後部に置いてあるそうです。重さは2kgありけっこうずっしりとしています。
微量の放射性物質を出すサンプルを近づけると数値が上昇しました。単位はグレイ(Gy)で、これは「もの」が単位質量あたりに放射線から受けるエネルギー量を示す値で、吸収線量と呼ばれるそうです。
この測定器にはイヤホンもついていて、放射性物質に近づけると「ジジジ」という音が聞こえるのですが、防護服を装着すると使えないのであまり実用的ではないみたいですね。
ディスプレイは赤色のバックライトが点灯するので夜間の使用も問題ないです。
防護マスク装着する機会はめったにない(あったら困る)ので貴重な経験ができたと思います。
ということで次回に続きます。