川を泳ぐ鯉のぼりと、過ぎ去る季節と

川に掲げられた大量の鯉のぼりを見て感じた季節の移ろい

川を泳ぐ鯉のぼりと、過ぎ去る季節と

ふと立ち寄った川に、色とりどりの鯉のぼりが掲げられていました。風に揺れるその姿を見て、思わずスマホを取り出して写真を撮りました。こういった風景は、田舎の川辺ではたまに見かけるけれど、いつ以来だったか思い出せないほど久しぶりです。

2025-04-19-201.jpg 家族連れに紛れて立ち止まり、しばらく眺めていました。小さな子どもたちのはしゃぐ声に耳を傾けながら、「これもいずれ、見かけることがなくなるのかな」とぼんやり考えていました。

2025-04-19-202.jpg 実際、子どもの数は減っているといいます。少子化という言葉はもう聞き飽きたし、どこか他人事のようにも思えていたけれど、こうして季節の風物詩が静かに姿を消していくのを見ると、現実味を帯びてくるものです。

だからといって「国のために子どもを増やそう」なんて気持ちにはならないし、なれません。社会のためとか、未来の日本のためとか、そういう目的意識で人が生まれるものでも育つものでもないはずです。

2025-04-19-203.jpg 彼女に日本の「伝統的」な風景を見せてあげようと思って、写真と動画を撮りました。結局、送ったのは動画だけでした。鯉のぼりのはためき、子どもの声──そういう空気感は、静止画では伝えきれないと思ったので。

今年のゴールデンウィークは日本にいません。今住んでいる場所ではこうした風景に出会うこともないので、もしかするとこれが見納めになるのかも、と思いながら川を後にしました。

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