VR(バーチャルリアリティ)大和の体験会へ参加すべく、大手町にある神田技研さんというベンチャー企業にお邪魔しました。以前、三笠で実施された体験航海に参加したことがあり気になっていたというのがあります。その時は雪風に乗って、赤城、大和を観閲するといった内容でした。
僕も潜入できることになりました!どんなだろう?楽しみです。 https://t.co/doeyFsXV5c
— ごむを(凸)ご注文は入渠ですか?? (@abekurumi) 2015, 12月 19
当日までこの体験会のことを知らず、早朝ダメ元でメールしたのですが、参加OKとの返信をいただき参加する運びとなりました。
事務所の本棚には艦船の設計図や兵器の設計図、食事等の四方山話までたくさんの資料が収められていました。
こちらが開発環境兼デモ機。ディスプレーには大和の左舷第一砲塔あたりから見た光景、ノートパソコンのディスプレーには艦橋内が再現されていました。
VR大和を体験するにはOculus(オキュラス)というヘッドマウントディスプレイを装着します。このヘッドマウントディスプレイを介して画面を見ると、実物大の大和を見ることが出来ます。首を上下左右に振るとそれに反応して構造物を見ることが出来ます。移動と視点切り替えはXBox用のコントローラーで行います。
ホワイトボードには武蔵の設計図が貼り付けてありました。かなり細かく区画が分かれています。実際迷子になる兵士が多かったらしいです。また武蔵には工作室があって、壊れた家電修理の依頼なんかが結構あったとか。
大和の模型が置いてありました。構造を調べるための資料だそうです。余談ですが、艦これ大和のフィギュアもありました。誰かの差し入れかな?
なにげに広げられていた設計図。これは河内型戦艦の2番艦「摂津」のものですね。この摂津、主砲を亀甲型に配置した変態仕様が故にいろいろ問題を抱えており、ワシントン条約の制限に伴い退役させられ標的艦に、その後、無人操縦装置を装備し爆撃標的艦に魔改造。駆逐艦矢風からコントロールしていたようですが、完全にリモートコントロールしていた訳ではなく、演習海域までは人が操艦し、演習前に操縦艦である矢風へ移動してから無人操縦装置で操縦していたようです。最後は呉空襲で大破着底したまま終戦を迎えています。
副砲はまだ制作途中でライフリングが無い状態でしたが、主砲はライフリングも再現されていました。最終的には主砲発射も再現できるようにするとのことのこと。
大和は竣工時、両舷に副砲を装備していたのですが、改修時に撤去され、代わりに対空機銃座などが設置されてます。PCのディスプレーではわかりにくいのですが、第一主砲から艦橋に至る緩やかな坂、通称:大和坂も再現されていました。
写真は大和ミュージアムに展示されている大和の模型ですが、ゆるやかな坂になっているのがわかると思います。
第一副砲付近から艦橋を見上げる。オキュラス越しに見るとかなり高く見えます。
後部カタパルト付近から第三主砲、煙突、艦橋を望む。これもオキュラス越しだと奥行きを感じることが出来ます。
零式水上観測機を上げ下げするクレーンや格納口のハッチ、射出するカタパルトも再現されていました。
ショートカットで防空指揮所へ上げてもらいました。最終的には各所に兵員を配置し、話しかけることで移動できるようにするそうです。
防空指揮所から前部第一主砲、第二主砲を望む。これもまたオキュラス越しに見るとかなり高いところから見下ろすことが出来ます。バーチャルとわかっていても高さが実感出来き、おもわずそっと下をのぞいてしまいました。
高さや奥行きはオキュラスを付けていないと実感出来ないので、周りで見ている人からはリアクション芸人のようなオーバーな動きに見えます。
よく戦争映画で、坊ノ岬海戦にて大和が主砲を発射するシーンがありますが、実際は色んなところに対空機銃座を設けたせいで主砲は一発も発射していないと言われています。なぜなら主砲発射の衝撃で付近の兵士が即死してしまうからです。武蔵で行われた主砲発射テストでは、主砲近くに置いていたウサギが発射の衝撃で四散したと聞いたことがあります。
艦橋内。これは大和ミュージアムの特別展示で再現したのを見たことがあります。
後ろには伝声管や電話が再現されていました。代表はまだまだ作り込まないと行けない部分が多いとおっしゃっていましたが、それでもかなり作り込まれていました。
この凄さは実際に体験しないと伝わらないと思います。今週末に横須賀にある居酒屋信濃さんにて体験会が実施されるので興味のある人は是非参加してみてください。私も行く予定でいます。
神田技研さんが軽食を用意してくださったので、それをつまみながらかなり濃い話に花が咲きました。歴史好きでかつミリヲタでないとまず付いて来れないほど濃い物でしたw。
たまたまこの日は元海上自衛官の方が来ていて、その頃のよもやま話を色々と聞かせてくださいました。
敬礼の作法から始まり笛の吹き方、一般隊員ならではの苦労話など聞かせていただきました。中でも衣装的だったのをいくつか紹介したいと思います。
当時の海上自衛官にミリオタは皆無で、高確率でガンヲタ&アニオタだったそうです。偉い人はある程度自分のスペースが与えられるらしく、ガンプラを飾ってる人もいたとか。
小銃は陸自のお下がりで、年に一度射撃訓練があるそうですが、感覚的には健康診断みたいなものだそうです。小銃の標準の合わせ方も陸と海では違うとか。
護衛艦の調理担当者は皆調理師免許を持っているとのことですが、中にはメシマズなフネもあるらしく、楽しみが食事くらいしかない隊員にとって死活問題らしいです。 その方はこのフネで勤務されていたとのことですがメシウマだったそうです。一方姉妹艦の方は...。
なんだかんだで話が盛り上がり、四時間半も話し込んでいましたが、よもやま話が聞けてお楽しかったです。
神田技研さんでは戦艦武蔵を再現すべくクラウドファンディングで開発資金を集めています。オキュラスを使ったバーチャルリアリティはすごいの一言です。興味がある人は投資しててはいかがでしょうか?
戦艦大和VR復元計画第二期:戦艦武蔵最終時の建造