組織の崩壊

忘れられない負の記憶。不適当な人物に決裁権を与え放置するとそから諸問題が多発し、最終的に組織の崩壊を招く・・・

組織の崩壊

あるまとめサイトに目を通して思うところがあったので書き残しておこうと思う。

私は以前、地方のとあるグループ企業の1企業の末端社員だった。会社はワンマン社長がすべてを仕切いて、 ある時期を境に事業拡張に舵をきっていく。別のグループ企業と吸収合併しさらに別会社の一事業部を吸収し、あっという間に大所帯の企業になっていった。 時期を同じくして別会社からある社員が送り込まれる。某である。

某はアスペと疑われるほどに、得意分野においては能力を発揮する一方、場の空気は読まず好戦的で自分の考えが絶対でそれを曲げることがないため、何かと問題を起こすトラブルメーカーとして有名で、知らないものはいないといわれるほどであった。

某は決裁権を持つ管理職としてある重要なミッションに投入されたのだが、いきなりつまずくことになる。部下や取引先に持論を押し付け、自分が気に入らなければ相手を罵倒し、決して決済を出さないという姿勢を貫いたため、これがボトルネックとなってしまいミッションの進捗は牛歩のごとくであった。

不幸なのはこの某に振り回された人たちである。ある人は心神喪失で休職を余儀なくされ、またある人は鬱病が原因でそのまま退職していった。見限って転職していった者もいた。いずれも優秀な人たちだった。

重要なミッションにも関わらず進捗は進まないどころか、某が越権行為を頻繁に行うようになり、社内の雰囲気も日々悪くなっていった。この頃になると社長も某の暴走を止めることが出来なくなっていた。危機感をいだいた私は転職活動を行うようになった。当時は何となくではあったが、この会社はいずれなくなるだろうという危機感を持っていたからである。

依然として進まないミッション、それに加えての越権行為、これらの行為に不満を唱える者が内外に現れ始めた、当然である。取引先、更にはグループ内からも取引中止を宣告され 孤立を深めていった。そしてあれは忘れもしない、私が今の会社に転職がきまった翌日のことである。突如会社の解散が社長より伝えられた。 赤字決算を出していた訳でもないのにである。グループ内の大きな力が働いたのは火を見るより明らかだった。おそらく重要ミッションの失敗の責任を会社として取らされたのだろう。後から送られてきた某一人の暴走によって組織はいとも簡単に崩壊してしまったのである。

私が聞いた後日談によると、解散が発表があった後に某を糾弾する者がいたようだが完全に後の祭りである。そして解散に至るまでの真相は最後まで語られることはないまま最終日をむかえ、それはもう殺伐とした雰囲気だったようだ。
せめてもの救いは、全員が転職なり、別会社に転籍する形で失職する者がいなかったということだろうか。

で、某だが解雇されず別会社に転籍したようだ。これは納得いかない、組織をつぶし他人の人生設計を狂わせた張本人は某なのだから。 恨み節になってしまうが、なぜ暴走する某をミッションから外さなかったのか?そうすれば結果はまだましな形になっていたんじゃないかと今でも思うことがある。